ドキュメント

エピソード1

名称内容入手場所
実験体収容の注意事項実験体収容の注意事項
実携帯収容に従事する者は以下の点を守ること
・監視は24時間体制で行うこと。
・常にセンサーの変化に注意し、10分ごとに記録を残すこと。
・実携帯に”異常”が発生して場合は、即座に処分すること。
エピソード1:クレア編
ガラスを割って移った部屋
警備強化の通知警備強化の通知
所長からの指示に従い、実験に使用していた
“火災放射像”を、出入り口に移設した。
火炎の威力はすさまじく、
多数の脱走者が突入しても難なく焼き殺せる。
こいつは実に頼りになる門番といえるだろう。
これで、実験体たちの脱獄は不可能に近い。
エピソード1:クレア編
収監区域1F 出口付近の左側の机の上
『流刑地にて』の書き写し『流刑地にて』の書き写し
旅行者はたずねた。
「あの男は、自分自身に課せられた判決を
知らないのですかね? 」
将校は答えた。
「教えてやっても意味はないでしょう。
なにしろ自分の身体に刻まれるわけですから」
フランツ・カフカ 『流刑地にて』より
エピソード1:クレア編
図引きの歯車のある部屋の外。通路にある椅子の上
囚人の手紙母さん…
助けて、母さん…
実験体と呼ばれて、
拷問を受ける毎日が続いている…
僕が何をしたと言うんだろう?
どうして僕はこんな目にあってるんだ!?
痛いよ
怖いよ
もう気が狂いそうだ…
エピソード1:クレア編
2F、牢屋の中の机の上
実験に際しての注意事項実験に際しての注意事項
実携帯の状態を現すセンサーは、
アドレナリンとノルアドレナリンの分泌量による
”恐怖”の度合いによって色が変化する。
緑:平常
橙:緊張
赤点滅:恐怖
赤:発症
実験中に実験体のセンサーが”赤”
すなわち”発症”した場合は、即射殺せよ。
エピソード1:クレア編
2F、アフリクテッドが2体出てくる角部屋の左の棚
『掟の門』の書き写し『掟の門』の書き写し
男は門の中へ入れて欲しいと申し出た。
門番は答えた。
「そんなに入りたいなら、禁止にそむいて入るがいい。
だがいいか、わしはいちばん下っぱだ。
この先にいる門番たちは、ふるえあがるほど恐ろしい」
フランツ・カフカ 『掟の門』より
エピソード1:クレア編
2F、大部屋の中央の棚
脱獄についての報告書脱獄についての報告書
脱獄を計った被検体J038号を射殺。
死体は廃棄物として処理。
2階の入り口側にある1号房は
壁の補修完了まで使用禁止とする。
エピソード1:バリー編
管理室の机の上
囚人の日記囚人の日記
8月7日
理由も分からずに捕らえられて数日。
奴らはここで実験と称して、来る日も来る日も
拷問を繰り返している。
他にも同じように捕らえられている人がいるのか?
なぜ?なんのためにこんなひどいことを?

8月8日
共に囚われた弟は、火を噴く像に左腕を焼き尽くされ、
さらに回転する刃物を備えたイカれた像で、
左足を吹っ飛ばされた。
明日は、残りの腕と脚に同じことをするらしい。
弟の「早く殺してくれ」という叫び声が耳から離れない。
看守は、恐怖に震える俺に、
「弟が生きながらえるよう祈れ、
弟がしねば、次はおまえの番になるのだ」と告げた。

8月9日
待ち受けつ苦痛への恐怖と絶望しか
感じられない日々。
死んだ方がマシだ…
弟の声が聞こえなくなった…
看守の足音が、近づいてくる…
エピソード1:バリー編
管理室のあるフロアの牢屋の中
脱獄者の密告脱獄者の密告
傷だらけにはなったが、
どうにか施設から逃げ出せた。
今でも信じられない…
あそこで行われていたのは、
ただひたすら、人に恐怖を与え続ける行為…
まったく狂ってるとしか言いようがない。

森で会った連中にその話をしても、
どうにも信じてもらえない。
やはりみんな、あの救世主を
絶対の存在と信じている。
確かに俺も信じていた、事実を知るまでは…。

島の外に助けを求めようと、
通信塔から連絡をとろうとしたが、
まるで通じない。
この島は孤立しているんだ!
この事実を早く誰かに伝えなければ、
島の連中はみんな食い尽くされてしまう!
救世主と崇められる、あの女に…
エピソード1:バリー編
通信塔への迂回ルートにある小屋の中

エピソード2

名称内容入手場所
旅人の日記旅人の日記
2008.10.11
地図には存在しない島。
ある文献からその存在を知った私は、
好奇心に駆られるままに島へど降り立った。
着いて間もなく、とんでもないことになった。
上陸するために乗ってきたヘリを没収され、
島の者に捕らわれてしまったのだ。
今は廃屋に監禁されている。
私に対するこの島の者たちの反応は異常だ。
言葉にするのは難しいが、何かがおかしい。
何だ…?

2008.10.12
島の者たちがm私の処遇について
話し合いをしているようだ。
私が怪しい者ではないことを
必死で訴えてみるが、一向に耳を貸そうしない。
私は、どうなってしまうのか…

2008.10.19
素性のわからないよそ者に、
この島が知られてしまったことを
よく思っていないのだろうか。
興味本位で来てしまったことを本当に深く
後悔している。

2008.12.10
外の様子がおかしい。
一体何が起きているのか?
周囲に人の気配が感じられず、
ときおり獣のようなり声が聞こえる。
私は…捨てられてしまったのか?

2008.12.19
食事も水も つきて。
わたしは このまま
ここで ころされてしまうのか。

2008.12.26
みず   のみ たい
エピソード2:クレア編
エピソード2:バリー編
漁村でペドロがドリルを初めに使う廃墟
模擬実験記録模擬実験記録
2009/11/8
今回は、”本番”に近い状況を想定し、
11人の実携帯に腕輪型特殊センサーを装着、
強い精神的負荷を断続的に与えて、
実験隊の経過を観察した。
結果、3人は即死。
8人は”発症”したため射殺処理。
全員が負荷による恐怖に耐えられなかった、
という結果をもって実験は終了。
エピソード2:クレア編
ナタリアを追って入る建物の中
市街の住民のメモ市街の住民のメモ
救世主様がこの島に来られてからというもの、
島は見違えるように好況になった。
高山に新たに建設された施設に、
俺たち島民を、雑用だけでなく研究員としてまで、
大量に雇用してくれるなんで。
まさに救いの神だ。

中には救世主様を疑う連中もいるが、
意味がわからない。
気に入らないのなら、そいつらが
島から出て行けばいいんだ。
エピソード2:クレア編
住居施設の小部屋の棚(バスルーム)
ゲーブの書き置きゲーブの書き置き
「この島に捕らわれてきた者たちへ」
俺たちは何者かに拉致され、ここで目覚めた。
ニール、ペドロ、エドワード、ゲーブの4人だ。
ここがどこだか、他に誰かいるのか、
何もわからない。
周りからは、人間のものとも獣のものともつかない
遠吠えが聞こえる。それも、複数だ。
いったい、何がどうなってやがる!?
手には妙な腕輪が付けられている。
そこから女の声がして”ヴォセク”とかいう場所へ
向かえと言われた…。
もし、このメモを見た仲間がいたら、
腕輪の指示通り”ボセク”で落ち合おう。
幸運を祈る。
ゲーブ
エピソード2:バリー編
序盤の廃墟の棚
漁村の女の手紙漁村の女の手紙
愛するあなたへ
高山へ出稼ぎに出て、一年になるわね。
島を復興させたあの方の計らいで、
あなたも、村の仲間もみんな、
高山の仕事にありつけて、本当に良かったわ。
でも、なぜなの?
約束の期間は過ぎたのに、あなたは帰ってこない…
いいえ、あなただけじゃないわ
仲間の誰一人として、
この村に帰ってきていない…
高山では、生物が有毒ガスの影響を受けて、
目に見えない恐ろしいバケモノに変異したという、
信じられない噂も耳にしたわ。
あなたの無事を心から祈っています。
一日も早く、帰ってきて。
エピソード2:バリー編
漁村の家の中
ペドロの腕輪解析メモペドロの腕輪解析メモ
・GPSユニットを確認。おそらく俺たちの場所は探知されている。
・送受信器で向こうからの音声はもちろん、こちらの声も届いてる。
・周波数解析の結果、送信はこの島の中心で障害の少ない高い位置、
つまり、あの塔だ。あの女はそこにいるに違いない!
・生体センサーでつけている者のヴァイタルサインが送られている。
あの女はマジで俺たちのことを監視しているらしい。
こいつはウィルスの投与もハッタリじゃねえ。
早くなんとかしなきゃ、マジでやべえ!
エピソード2:バリー編
漁村の酒場のカウンターの上
市街の住民の手記市街の住民の手記
あの方の施設に行ったきり
帰ってこない夫を、迎えに行った。
施設の人たちは、私の不安を察して、
とても親切にしてくれた。
感染防止のための注射を打ってくれたり、
お守りだと言って腕輪までつけてくれた。
こんな立派な施設を建ててくださるなんて、
やっぱりあの方は、この島を救ってくれた
素晴らしい救世主だわ。
一瞬でも、あの方を疑ってしまった
自分が恥ずかしい。
気のせいか、さっきから、頭がフラフラする…
通された奥の部屋で、夫とやっと会うことできた。
でも困ったわ。
首から下が ないんだもの。
これは一緒に帰れない じゃない。
さっきから、お守りの腕輪が、
BBと鳴って耳障り
早く夫 の 体をみつけ て
かえらない と
息子がお なかを す かせ
ま てる
エピソード2:バリー編
市街地住居施設の部屋の棚
臨床実験記録臨床実験記録
2010/1/24
試験ウィルス「t-Phobos」は、完成まであと一歩。
先の改良によって、t-ウィルスの持つ致死性は抑制され、
「精神的な強い負荷によって発症する仕組み」は
みごと実現された。
また、実験隊の抗体率も2%以下と、目標値を達成している。
我々に与えられた時間はあと少し。
本番は近い。ミスは許されないのだ。
エピソード2:バリー編
塔の中、ドラム缶を通過して、正面辺りの台の上
父への悼辞父への悼辞
新世界の秩序を自ら創造する望みも、
老いと病には逆らえなかった。
全てを手にした貴方を裏切った命に捧げる。
叡智の限りを注いだ”息子”の手で、
忘却の無へと葬り去られた、
憐れなる我が父よ。
ここに誓いましょう。
不遜なる貴方の”娘”めが、
貴方の強大な力と莫大な富を、
貴方が忘却した無の底より、
手をのばし貰い受け、
新世界の秩序を、永劫の叡智を、不滅の命を、
必ずやつかんでみせましょう。
この先、貴方の霊が救われることなく、
憤怒の歯ぎしりが永遠の無で響くことを…。
エピソード2:バリー編
塔の中、左側の階段の途中

エピソード3

名称内容入手場所
工場長の日記(1)工場長の日記(1)
困ったことになった。
親から譲り受けたこの工場を、
なんとか潰すまいと必死の努力を続けて来たが、
もうダメかもしれない。
理由は単純だ。
ぱったりと注文が途絶えちまったからだ。
こいつは間違いなく、あの女の仕業だ!
この工場を明け渡すように、
執拗に要請し続けていやがったからな
…。

こちらが思い通りにならないとわかって、
強硬手段に出やがった…というわけだろう。
ふざけやがって!女王気取りか!?
やはり、あいつに逆らってこの島で
生きていくのは、今となっては
もう不可能ってことなのか。
工場長の立場は保証すると言ってやがるし、悔しいが従うしかないみてえだ…。
エピソード3:クレア編
工場2F、青い扉の部屋。
鷹の間の壁の文字鷹の間の壁の文字
ただ静かに、”死”を受け入れよ
エピソード3:クレア編
工場加工棟、鷹の間
光の間の壁の文字光の間の壁の文字
光が射す場所に、”道”はひらかれる
エピソード3:クレア編
工場加工棟、光の間
工場長の日記(2)工場長の日記(2)
俺の大切な工場が、
大変なことになっちまってる…!
いったい何を考えてやがるんだ!あの女は!
「セキュリティのため」だとか言ってるが、
配置されたのはどれもイカれた仕掛けじゃねえか!
これになんの意味があるってんだ!?
全く意味が分からねえ。
どう育てられたら、あんな風になるんだ?
どういう趣味をしてやがるんだ。

俺にできたことと言えば、どうしようもない怒りを
あの女にぶつけまくっただけ。
その結果、工場長の立場も奪われ、
工場は完全にあの女に乗っ取られちまった

…。
まあ、これ以上あの女に逆らうのは
懸命じゃないってことは身にしみてわかった。おとなしく誤ることにしよう。俺も我が身は可愛いからな。
エピソード3:クレア編
工場正面の施設、1Fの大部屋
4つの扉4つの扉
答えもなく先へ進むのは、ただの命知らずだ。
決断は”確信”を持って、行われるべきである。
ただし、目の前に答えがあるとは限らない…
エピソード3:クレア編
同胞たちへの弔魂碑同胞たちへの弔魂碑
ザインと呼ばれるこの地で、
改革から繁栄を、共に聖母様に仕えし者たちよ。
神聖なる儀に備え、その身を捧げし我が同胞たちよ。
同じ絆で結ばれ氏、スチュアート
我らが聖母様の「転生の儀」と見届けるまで、
お守りすることを、誓う。
後、君たちと相まみえる、その時まで、
ともに絆で結ばれ氏同胞たちよ。
安らかに眠れ。
エピソード3:クレア編
盟友を解放する巡礼の誘い盟友を解放する巡礼の誘い
「真実を知るものよ、順に盟友を弔え。
さすれば、罪の枷が解き放たれる!」
1人目は、愚か者だったため墓が無い
2人目は、顔が背中についている
3人目は、4人目の3つ隣の前にいる
4人目は、首がなくなっている
エピソード3:クレア編
スチュアートへの指示スチュアートへの指示
スチュアートへ
暗黒の大陸より忌むべき「闇の血」が届いた。
感染力が極めて高く、多くの可能性を
秘めている。
さすが我が兄、アルバートが完成させた
だけのことはある。
時を待たず所長へ送り、
「闇の血」の研究を進めさせよ。

t-Photbosの完成も間近である。
これで「儀」の式へむけ、
必要なものはすべて揃った。
我らの計画は、必ずや達成されるであろう。
エピソード3:クレア編
スチュアートの遺書スチュアートの遺書
聖母様
「転生の儀」へ向けた実験の成功、心より祝福申し上げます。
このスチュアート、長年にわたりお手伝いをさせて頂きましたこと、
身に余る光栄でございます。
選別された”器”に申し分はございません。
「儀」の式は、無事成功すると確認しております。
新たな世界に秩序をもたらす、創造の主となられること、
絆で結ばれし同胞たちにとって、この上なき喜びであります。

しかしながら、神聖なる「儀」の式へむけた計画のためとはいえ、
数多の犠牲を払ってきたことも事実であります。
その罪、産みの苦しみと覚悟しておりました。
そして、成功にはその罪を浄化する罰が必要であると考えます。
来る「転生の儀」を滞りなく転生へと導くため、
聖母様の産みの苦しみをわかちあうため、
我が身を罰し、この命を捧げます。
心配にはおよびません。
このスチュアート、同胞たちとの邂逅が、待ち遠しい限りです。
エピソード3:クレア編
新世界を望む者たちへの手紙新世界を望む者たちへの手紙
親愛なる新世界を望む者たちへ
よろこんでくれ。
いよいよ我が師に報いる時だ。
ようやく目的の物を手にする時がきた。
ここまではすべて、私の筋書き通り。
あとはあの女と、最後の取引を終えるのみだ。
あれを手につかめば、
いよいよ世界の秩序は変わる。

そう、この「ザイン」を見舞った
狂った惨劇の数々が、ほどなく全世界でも
繰り広げられることになるだろう。
そのときこそ再び、我々の名が世に響く時、
怠惰のきめた世界に裁きを下す。
私はただ、我が師、モルガン様が
かつて行った「テラグリジア」での計画を、
役者を変えてやり直しているに過ぎない。

あの女はそのために利用させてもらった。
しかし、仲間までも欺いていたことにも
罪悪感はない、と言えば嘘になる。
だが、世界を目覚めさせるためには、
やむを得ない。
崇高なる理想は、尊き犠牲の上に成り立つ。
彼らの犠牲は、決して無駄にはしない。
エピソード3:クレア編
ニールの被験者リストニールの被験者リスト
スチュアートへ
リストの通り、テラセイブ関係者の中でも
特に耐性がありそうなメンバーを選んだ。
皆、過去にバイオテロやウィルス絡みの
事件事故で、強い恐怖体験をしているが、
精神的なダメージが少なかった者たちばかり。
恐怖への耐性は保証済みというわけだ。
望み通りの被験者だろう?

あとは好きにすればいい。
「ザイン」を凶夢に染めろ。
俺は、お前たちのバックアップにまわる。
何かオーダーがあれば連絡しろ。
01 ニール・フィッシャー
02 クレア・レッドフィールド
03 ガブリエル。チャベス(ゲーブ)
04 ジーナ・フォリー
05 (黒く塗りつぶされている)
06 モイラ・バートン
07 ペドロ・フェルナンデス
08 (黒く塗りつぶされている)
09 ナタリア・コルダ
10 (黒く塗りつぶされている)
11エドワード・トンプソン
エピソード3:クレア編
下水道の老人の日記下水道の老人の日記
1988.7.19.
娘が生まれた。
名は、イリーナとママがつけた。
去年死んだ俺の婆ばあさんの名と同じだ。
反対したが、ママには逆らえない。
目と鼻が、俺にそっくりだ。口元はママだな。
島の短い夏に生まれた子は上部に育つときいた。
今年も採鉱のおかげで島の景気は上々。
それもこれもイリーナの恵み、親バカだな。
こんな暮らしがいつまでも続いてくれれば、
娘を安心して育てられる…

1994.7.19.
イリーナが6歳になった。
早いものだ。
ちかごろは、パパのマネをするとママがおこる。
算数がとくいなのは、ママよりばあさんの血だ。
いよいよあぶないと噂だった鉱山資源がカラッケツ、
底をついたようで家もスッカラカンだ。
このままでは、オレも仕事がなくなってしまう。
イリーナのためにも、がんばらねば。

2000.7.19.
イリーナももう12歳。
オレと口をきかなくなった。何を考えているのか。
にらむときだけ、オレの目をみるぐらいだ。
そっくりなのが気に入らないとは、こまった。
ザインに来た資産家の女のおかげで俺にも仕事ができた。
枯れたはずの鉱山に新しい施設をつくったとか。
島の連中は、やれ救世主さまだの、聖母さまだのと、
もてはやしているようだが、オレは気にくわない。
金持ちは信用するなって、死んだばあさんもいってた。
とはいえ、助かっているのは間違いないが。

2008.7.19.
イリーナがハタチになった。
来週から鉱山に働きに出ることになった。
オレは反対したが、あの娘が聞くはずもない。
頑固なのは、俺にそっくりだと、
去年いっちまったママもいっていたが、そのとおりだ。
施設の連中を嫌うオレは、
いまでは街でもかわりモンあつかいだ。
きっとイリーナは、それも嫌だったんだろう。
それにしても、気がかりで仕方ない。
次はいつ会えるだろうか…

2009.7.19.
娘と別れてもう1年だ。
ザインには病をかかえた者があふれて、
どんどんおかしなことになっている。
あの女がオレたちに何かしたんちがいない。
ばあさんのいいつけを娘にまもらせるべきだった。
もう手遅れだ。オレはすべてをすてて街を出た。
しかし、島から出るのは不可能だ。
この下水道に逃げ込むがやっとのことだ。
イリーナ
…お前にあいたい。必ずや助けに行く。オレには、お前だけが最後の希望だ…
エピソード3:バリー編
発電機の取り扱いについて発電機の取り扱いについて
・リフト、電動ドアんど施設内の設備は、
発電機を所定の位置に置くことで動作する。
・発電機がなくなった場合、
奥の倉庫のものを利用すること。
・発電機を運ぶ場合は、ベルトコンベアを利用すること。
エピソード3:バリー編
イリーナの遺言イリーナの遺言
この採掘場には死
体が
どんどんはこばれてくる。
お父さんが言ってたとおりだった。
あのひと、アレックスは、
ザインを助けにきた、
救世主さまなんかじゃない。
あのひとの目的は、
「ばけもの」たちをつくること…。

あたしたちは、知らないうちに、
手伝いをさせられていたんだ。
みんな、おかしな薬を打たれて、
もうメチャクチャ…だよ。
パパにあいたい…。
今、どこ…?
きっとこの島はもう、
お終いなん だ。

あ たしも、もうメチャ くちゃ
みえ なくなってき た
あ たま くちゃっとし て
じ  かけない
か ゆ くて かいた ら
くず   れ  た
お もしろ い もろ い
あた し て あ し
ぐ す く ず れて い く

あ たし  か らだ  が
めち ゃ ぐし ゃ
ぱ ぱ   ごめ ん   なさぱぱ   ぱ ぱ ぱ  ぱ
エピソード3:バリー編
実験体廃棄指示書実験体廃棄指示書
2010/2/8
本日のt-Phobosの実験においても、
多数の実験体が処分となった。
3日分の実験で出た実験体の死骸はおよそ30体。
いつも通り回収し、採掘場に廃棄すること。
エピソード3:バリー編

エピソード4

名称内容入手場所
フランツ・カフカの『変身』についてフランツ・カフカの『変身』について
私は、この醜悪な物語を深く愛し憎んでいる。
これは、兄弟にまつわる死の刻印だ。
物語は、主人公グレーゴル・ザムザが、
ある朝、目覚めると巨大で醜い毒虫に
変身していたことからはじまる。
家族は突如姿を変えた彼に
戸惑いつつもはじめは守ろうとするのだが、
毒虫に変身した彼を理解することはできず、
やがて見捨てられていく。

ついに献身的であった妹・グレーてにすらも
見捨てられた時、その命運は尽き、
やがて兄・グレーゴルは一人静かに死を迎える。
私は、グレーゴルのように、兄弟を見捨てはしない。
血を分けた兄弟と運命を共にする、
私は、グレーゴルのように醜い毒虫に変身はしない。
創造主にふさわしい姿へと生まれ変わる。
エピソード4:クレア編
転生の儀のための覚書転生の儀のための覚書
「転生の儀」のために記す…
憐れなる我が父スペンサーが、その晩年に
ワラにもすがる思いで執着していた不滅の力、
”不老不死”の研究は、未完成で終わっていた。
私は彼の研究を引き継ぎ、その核となる技術、
”精神と記憶の転移システム”の実験改良を
繰り返してきた。
一定の成果は得られたが、いまだ不安定な
部分も多い。

現時点で判明している必要条件は、以下のとおり
1.”器”は新たな精神と相対する”恐怖”に打ち克つ、
強い精神力を有していなくてはならない。
2.”器”への負荷を最小限にするため、
転移後の定着と安定に約半年の期間を要する。
私に与えられた時間は決して長くはない。
一刻も早く、完成を急がねば…。
エピソード4:クレア編
ニールの報告書ニールの報告書
スチュアートへ
適合者はやはり、例の小娘で決まりだな。
他の被験者にも見込みはあったが、
彼女は次元が違う。
何せ、”恐怖”の感情そのものが欠落している。
おそらく幼少時、故郷のテラグリジアで起こった
バイオテロ事件での。隣人たちの大量虐殺に加え、
両親を目の前で失ったことが原因だろう。

耐え難い体験によるトラウマは、
彼女から”恐怖”の感情を奪った。
唯一の欠点は、少しばかり幼すぎることだが、
それもやがて時間が解決する。
彼女こそ、お前たちが、
元めいた”器”にふさわしいだろう?
エピソード4:クレア編
クレーン作業報告書(1)クレーン作業報告書(1)
先月の状況報告
ノルマ達成率:80%
落下死者数:4人
仕事中に事故が起こると、
人員の補充に時間が取られ、
毎月のノルマ達成に支障をきたします。
落下しないよう、安全を心がけてください。
エピソード4:バリー編
クレーン作業報告書(2)クレーン作業報告書(2)
先月の状況報告
ノルマ達成率:55%(概ね順調)
落下死者数:1人
落下原因
クレーン最上部に乗った状態で作業中、
下の者がクレーンを動かしたことによる転落。
人員補充済み、ノルマ達成に現状支障なし。
クレーン西行部に上がっての作業は、
くれぐれも注意してください。
エピソード4:バリー編
水門番の遺書水門番の遺書
研究所から、ウィルスが流出した。
男は、ほとんどが醜い狂人になり、
女は、もがき苦しみながら死んでいった…。
遅いかかってくる狂人たち…
かつては仲間だったものたちを撃ち殺しながら、
必死で逃げ回った…。

最後にたどり着いたのは、仕事場だった。
30年間、苦楽を共にしたクレーン。
その上に今、俺はいる。
無意識にここにたどり着くなんて、
俺ってやつは骨の髄まで
仕事人間らしい。

銃の弾はまだ残っている。
ここを死に場所に決めた。
俺にはお似合いだ。
仕事ばかりでかまってやれなかった家族に、
あの世で謝りたい。
エピソード4:バリー編
有毒ガス発生の警告有毒ガス発生の警告
付近の地脈から
有毒ガスが発生している。
少しの間なら外はないが、
長時間吸い続けると、呼吸困難に陥り、
意識を失って命を落とす危険がある。
作業する際は、時間に十分注意して作業すること。
エピソード4:バリー編
鉱山労働者の日記 1枚目鉱山労働者の日記 1枚目
2.11
ついに俺も念願の、女神様のお膝元、
鉱山施設で働くことになった。
ここで一財産稼いでやる。
働くことになってわかったことだが、
ここの下層には薬品開発の研究所があるらしい。
許可された者しかアクセスできないとか、
ずいぶんと厳重なようだが、
何の研究をしてやがるんだ?

3.24
研究所には、女神様のお抱えの研究員どもがいて、
島の連中も下働だが、高級で雇われているらしい。
最初は俺も、羨ましいと思っていた…。
だが最近、下働としてみても、
大して知恵のなさそうな、使えない連中までもが
呼ばれるようになった。
それも、多い時は数十人単位ときている。
そして誰一人、帰って行く姿を見たことがない…。
どっか別の所に出口でもあるのか?
エピソード4:バリー編
鉱山労働者の日記 2枚目鉱山労働者の日記 2枚目
4.2
たまたまだったんだ。
奥に運びだされる荷物の中を見てしまった。
あれはもしかすると人間…
いやいや、そんなはずはない…と思いたい。
いくらなんでも、そんなむごいマネは…。
…胸騒ぎがする。
家族が心配になってきた。

4.15
くそったれ。
やっぱりあの研究所で行われていることは、
ただごとじゃない!
俺はついにこの目で確かめたんだ!
研究員が毎日運んでいる荷物の中身…
島民たちのバラバラにされた姿を。
なにが女神様だ。
あいつはこの島をメチャクチャにする気だ!

4.25
俺は真実を知るために、
あの女への面会を申し出たが、断られた。
こうなったら力ずくで行くしか無い。
あんな細い女、腕をひねり上げれば、
泣いてすべてを喋るだとう。
過酷な労働にこれまで耐えてきたんだ。
力には自信がある。
俺は島を救う。ヒーローになってやる。
待っていろよ、アレックス!
エピソード4:バリー編
検体搬送記録検体搬送記録
以下の研究用素体も培養プラントへ輸送
素体数:70人分
対象者:工業地区 17-21ブロックの住民
エピソード4:バリー編
研究所 所長の日記(1)研究所 所長の日記(1)
今思えば、t-Phobosのプロとタイプを
発見できたことは、とても運が良かった。
人が恐怖したときに分泌される、
ノルアドレナリンに反応するウィルス。
それを見つけた時、研究所の仲間に話しても、
「そんなものは役に立たない」と一蹴された。
しかし、アレックス様は違った。

私の報告書に目を通されたアレックス様は、
その特性に深く興味を持たれ、
私を研究リーダーに抜擢してくださった。
t-Phobosが完成間近となり、その実績が買われて、
所長の地位につけたのも、あの方のおかげだ。
アレックス様に貢献できたことを、
とても光栄に思う。
エピソード4:バリー編
ウロボロス・ウィルスについての報告書ウロボロス・ウィルスについての報告書
1.ウロボロス・ウィルスは有機物から増殖する。
死体に投与すると、核を形成し増殖をはじめ、
有機物を取り込み、生命活動を開始する。
2.核を中枢として増殖を行うため、
核を破壊すると生命活動は維持できない。
3.有機物の取り込みによる増殖能力は非常に高く、
万が一このウィルスが施設外に流出してしまうと、
島中に蔓延してしまうおそれがある。
セキュリティは厳重に取り扱う必要がある。
エピソード4:バリー編
研究員の日誌研究員の日誌
今日から死体を使った、
「ウロボロス。ウィルス」の実験研究を
行うことになった。
施設には毎日、大量の死体が
届くことになっている。
スチュアート様の周到な手配のおかげで、
研究のための材料には事欠かない。

さっそく死体に投与すると、
まつで操り人形のように動き出した。
しかもこいつは実に攻撃的で、
目の前の人間に襲いかかろうとしてくる。
こいつはまるで生物兵器…B.O.Q.のようだ。
エピソード4:バリー編
検体廃棄記録検体廃棄記録
実験体に殺害された研究員の遺体を、
培養観察室の奥にある
死体安置所へ移動し、殺菌処理を施した。
柿などの遺品についても、
念のため安置所において殺菌し、保管する。
エピソード4:バリー編
研究員の覚え書き研究員の覚え書き
培養プラントのセキュリティレベルが、
Lv2に設定された。
実験中の事故により研究主任が死亡した事が
原因だろう。
所長室にて、Lv2の認証カードの配布が
行われるそうだが、俺は対象外になりそうだ。
ウロボロス。ウィルスを用いた培養実験は
ずいぶん危険らしい。
エピソード4:バリー編
研究所 所長の日記(2)研究所 所長の日記(2)
本日、スチュアート様から「闇の血」と呼ばれる
モノが届いた。あのアルバート様が完成させて、
「ウロボロス。ウィルス」のサンプルだ。
t-Phobosについては研究開発は終了したので、
次はこいつがメインの研究材料になる。
施設の地下部分はウロボロス・ウィルスの研究用に
おおきく改造を施した。
アレックス様へのさらなる貢献のため、尽力したい。
エピソード4:バリー編
ナタリアへの怨念ナタリアへの怨念
私は…いまだ生きている…
あの死は、私の死ではなかった…
それはすべて自らが招いたこと、
ああ。
あの引き金を引く瞬間、
私が、世界から消滅することに、
私が、恐怖を覚えるなんて…
死に損ない、病魔に侵された肉体を、
ウィルスの力にすがり、
生き存えるとは…

私は…なんて醜いのか、
私が、醜い醜い醜い、
ワタシはない、私が醜い…
しかも、まもなく、
転生したもう一人の私が、覚醒する、
その時、醜い姿に変身sh生き存えている。
許されない、
私は、認めない、
こんな姿を覚醒した、
私が、私に笑いものにされる。

私は…なんて醜いのか。
私こそ、私なのに。
私こど、覚醒した私だったのに。
そうよ。
ああ。そうだわ。
私は、私しかワタシじゃない、
だから、ヤツはワタシはない…!
だから、ヤツはニセモノ…まがいもの!
だから、消滅するのは…ヤツ
殺さなければ…

ワタシがワタシにあるために、
ワタシが…ザインで存在するため、
そうよ。
「闇の血」そそぎましょう…
あの忌むべきウロボロスを島中に…
ヤツを…消滅するのよ…
ヤツを…恐怖するまえに…
死が、お前を抱きしめるわ、ナタリア…
お前が消える時、
その時、ワタシはワタシに転生するのよ、
ああ。
ナタリア…死ね…ナタリア…
エピソード4:バリー編

⬆︎